病気や障害のある家族の世話をする、そんな境遇にあるのは、自分の家だけだと思っていませんか?
家族の世話をしている人はほかにもたくさんいる
元ヤングケアラーの先輩の話を聞くと、「家族の世話をしているのは、自分だけと思っていたのがきつかった」という声は少なくありません。厚生労働省の調査*によると、大人の代わりに家族の世話をしているのは、小学6年生で15人に1人、中学2年生で17人に1人いました。クラスに1人か2人いることになります。でも、家族の世話のことを、家族以外に話さない人が多いので、同じ境遇の人が周りにいたとしても、おたがいに知らないことが多いのです。
*データは小学生は令和4年、中学生は令和2~3年にかけて、厚生労働省が調査した「ヤングケアラーの実態に関する調査研究報告書」の数値。
自分の話をできる人を探そう
「家族は大切だけど、世話は大変……」、そんな自分の気持ちをひとりでかかえていると、ますますつらくなることがあります。だれかに話をするだけで、心が少し楽になることもあります。もちろん、だれでもいいというわけにはいきません。友だちや先生、親せきなど、身近できみの話を真剣に聞いてくれる人を探してみてください。
だれにも話したくない時もあるし、話すことでかえってつらくなることもあるでしょう。そんな時は話をしなくていいのです。でも、家族以外で、安心してなんでも話せる大人、いっしょに考えてくれる信頼できる大人を探しておくことをおすすめします。きみや家族が楽になる方法を教えてくれる人が、きっといるはずです。決してきみはひとりではありません。