がまんしすぎてない?
家のお手伝いは、家族の一員として必要なことです。しかし、子どもへの負担が大きく、勉強や友だちと遊ぶことができなくなってしまったり、心や体に不調を感じたりすると、それはもうお手伝いとはいえません。
自分がヤングケアラーだと、本人が気づいていない場合も少なくありません。家族の世話をどのくらいしているか、大人がするような責任の重いことをしているかなどは、周りにも自分にもわかりにくいからです。
勉強したり、友達と遊んだりすることは子どもにとっては大切です。子どもらしい生活をがまんすることが当たり前ではないのです。
だれでもなる可能性がある
家族の世話は決して他人事ではありません。もし、明日家族が事故にあったら、あなたが世話をすることになるかもしれません。また、あなたが急に病気になって世話をされることになるかもしれません。ヤングケアラーは特別な人ではなく、だれにでもそうなる可能性があるのです。
みんな同じじゃない
家族の世話をすることになった背景、理由は一人ひとりちがいます。どういう思いで世話をしているかも、人それぞれです。ヤングケアラーはこういう人と、ひとまとめにして考えて接すると、相手をきずつけてしまうことがあります。相手の思いに耳をかたむけ、受け止める、人と人とがつきあう上で大切なことです。
家族が悪いの?
ヤングケアラーが子どもらしい生活ができないのは、親が悪いからではありません。障害や病気など、さまざまな問題を社会が支援しきれていないことが問題です。家族が責められるのではないかと、だれにも相談できない人もいますが、そんなことはありません。
昔は、家族の世話をすることは、立派なこととされてきました。しかし、*核家族化や高齢化が進み、ひとり親家庭が増えている今の社会では、家族だけで支えていくのは難しいのです。
これからは、困った時はおたがいさまの気持ちで、国や市町村などの支援を利用したり、地域の人と助け合ったりできる社会にしていくことが重要になるでしょう。
*核家族化:夫婦だけ、または夫婦と子どもだけの家族が増えていること。